記念すべき新連載の第一回目として我々が訪れたのは,千葉県成田国際空港にほど近い「フィッシングクラブジョイバレー」。今年4月にオープンしたばかりの,目下売り出し中の管理釣り場である。千葉県でトラウト?と首を傾げる人も多いに違いない。
そう,これまで千葉県はトラウトマンの間で鱒のいない県と呼ばれるほど,トラウトフィッシングを楽しめる釣り場のない県だった。亀山ダムなど一部のダム湖では,冬場がニジマスの放流があり,楽しむことができたものの,周年を通じて遊べる場所はほとんどないのが実状。ジョイバレーフィッシングクラブは,そんな土地柄の中,まさに彗星のごとく現れた周年遊べるトラウトフィッシング・スポットである。
しかも,そんな事情はお構いなくこの釣り場はかなり本格的。ルアー&フライポンドとドライフライ専用のポンドの2つがあり,魚種も今エリアで話題のクィーントラウト,イトウをはじめとして,ニジマス,アメマス,サクラマス,ブラウン,ロックトラウト(岩鱒)とかなり豊富である。オーナーいわく,魚のコンディションがよく,引きの強さが自慢だという。事実ここの魚たちのファイトは力強く,ジージーとドラグ音を出すパワフルファイトに魅せられ,常連になったアングラーも多い。
 
  また,イベントなどにも積極的に取り組んでおり,昨年の12月には約60名のアングラーが集まって釣り大会を行ったばかり。今後も年に3回〜4回はこうしたイベントを行う予定だそうだ。
さらに人数限定で,特別メンバーなども募っており規定の入会金と年会費を払うと入漁料が割引になったり,飲食や商品購入などに様々なサービスが受けられる独自のシステムも,特筆すべき点である。

 

渡辺さんとこの釣り場を訪れたのは,12月の中旬,天候は晴れていたものの,寒さが身にしみる日のことだった。朝8時頃からルアー&フライポンドで釣りを開始した。
この釣り場は,池の面積約3300m2,外周350m,深さ2.5mで両サイドがカケアガリになっている止水ポンドである。特徴的なのは水色で,典型的なマッディーウオーターである。

 
  透明度は水面下10〜20cmといったところで,止水ポンドにありがちな水面を浮遊する魚の群は,手前の浅場を除いてほとんど視認できない。ポイントとして有望なのは,水車周り,岬の鼻,いくつかある土管の流れ込みなどだが,こういった場所は例によってすでに何人かのアングラーが陣取っている。そこで渡辺さんがこの手の釣り場攻略として揚げたのが,カウントダウン&ボトムトレースの釣り。魚の群が確認できない場所では,表層で数を稼ぐのは無理,カケアガリのエッジに着いている大型のトラウトを狙うのが一番だとの考えからである。まず最初に入ったポイントは,水車によって起きる流れのスジが切れるあたりの,奥に向かって左のワンド。このあたりで水車の流れ左右に反転して,ワンド左側の土管から水も出ているため,活性の高い魚がカケアガリについているとふんだわけだ。
 
渡辺さんは,まずフックのついていない3gのスプーンをラインに結んだ。何をするのかと見ていると,そのままキャスト,カウントダウンして底を取り,ゆっくりとリトリーブを始めた。そしてリトリーブし終わると,これまたフックのついていない他のスプーンにチェンジして,同じことを繰返している。たまらず「何をしているのですか?」と尋ねると,「カケアガリの傾斜を調べているんです」との答えが返ってきた。
渡辺さんによれば,ボトムトレースの釣りをする場合には,カケアガリの傾斜や底の状態を把握することが必要条件だという。特にこのジョイバレーのように底がフラットで障害物もない釣り場では,魚たちはカケアガリの際に沿って着いている。そのため,フックのついていないスプーンで底を転がしながら,どれくらいの傾斜で,どのウェイトのスプーンであればボトムすれすれをトレースできるのかをあらかじめ調べることで,後々有利に展開できるというわけである。
 
 
ひと通り調べ終わった後,渡辺さんはまず2.1gのプレスタースプーンをセレクト。カラーは水の濁りを考えて蛍光イエローをセットした。このスプーンはカップが深く,スローリトリーブが可能な上,左右に小刻みにスライドするようなイレギュラーアクションを起こし,エリアのスレたトラウトには有効なスプーンである。また,表層狙いで使用するような肉厚の薄いスプーンは,水の抵抗が大きく,カウントダウンに時間を要するので,この形状のスプーンが妥当である。ロッドは遠投が利き,敏感でティップのプレスタースピン,ラインは高感度で水を吸わないプレスターラインの2ポンドを使用していた。
スプーンを対岸から3mぐらいの場所にキャスト,フリーフォールでカウントダウンする。着底までのカウントはだいたい7秒。着底後,デッドスローで,ゆっくりとリトリーブ開始。スプーンはボトム数センチの所を揺らめきながら,手前に進んでくるはずである。スプーンがカケアガリのエッジに差し掛かった所で神経をラインに集中する。魚が反応すれば,ラインに微妙な変化が起きるはずである。

しかし,何度繰返してもルアーは空しく手元に戻ってくるだけで,いっこうにバイトがない状態が続いた。魚たちの活性はよほど低いようである。恐らく,つい最近行われた釣り大会で大勢の釣り人が入ったために,相当のプレッシャーがかかっているものと予想された。
そこで渡辺さんはボトムトレースの途中に意識的のポーズをつくり,スプーンの運動に縦方向の変化を与えた。しかし,それは大きな変化ではなく,一瞬リーリングを止めて,ロッドをかすかに上に煽り,再びリーリングするという,側で見ていてもわかりにくいぐらいの小さな変化である。これをスプーンがカケアガリに差し掛かった時に2,3度繰返した。
 
  透明度は水面下10〜20cmといったところで,止水ポンドにありがちな水面を浮遊する魚の群は,手前の浅場を除いてほとんど視認できない。ポイントとして有望なのは,水車周り,岬の鼻,いくつかある土管の流れ込みなどだが,こういった場所は例によってすでに何人かのアングラーが陣取っている。そこで渡辺さんがこの手の釣り場攻略として揚げたのが,カウントダウン&ボトムトレースの釣り。魚の群が確認できない場所では,表層で数を稼ぐのは無理,カケアガリのエッジに着いている大型のトラウトを狙うのが一番だとの考えからである。まず最初に入ったポイントは,水車によって起きる流れのスジが切れるあたりの,奥に向かって左のワンド。このあたりで水車の流れ左右に反転して,ワンド左側の土管から水も出ているため,活性の高い魚がカケアガリについているとふんだわけだ。
 
渡辺さんは,まずフックのついていない3gのスプーンをラインに結んだ。何をするのかと見ていると,そのままキャスト,カウントダウンして底を取り,ゆっくりとリトリーブを始めた。そしてリトリーブし終わると,これまたフックのついていない他のスプーンにチェンジして,同じことを繰返している。たまらず「何をしているのですか?」と尋ねると,「カケアガリの傾斜を調べているんです」との答えが返ってきた。
渡辺さんによれば,ボトムトレースの釣りをする場合には,カケアガリの傾斜や底の状態を把握することが必要条件だという。特にこのジョイバレーのように底がフラットで障害物もない釣り場では,魚たちはカケアガリの際に沿って着いている。そのため,フックのついていないスプーンで底を転がしながら,どれくらいの傾斜で,どのウェイトのスプーンであればボトムすれすれをトレースできるのかをあらかじめ調べることで,後々有利に展開できるというわけである。
 
  すると蛍光ラインがすぅっと横にふれた。
すかさず渡辺さんの鋭いアワセが入る。次の瞬間,ロッドはきれいに弧を描き,ラインがぐいぐい差し込まれた。上がったのは50cmクラスのレインボートラウト。渡辺さんの話では,ルアーに気づいた魚が追尾し,カケアガリに追い付いて補食しようとした際に,すぅっとスプーンが浮き上がったために,慌てて吸い込んだのではないかとのことである。
この小さなワンアクションはプレッシャーの高い釣り場で,カケアガリのボトムトレースを行う際に,特に有効なテクニックであるという。

一度パターンをつかんでしまえば,話は早い。渡辺さんはこの後もこの方法で,ポイントを岬の鼻,奥のワンドと変えながら,良型のトラウトたちを次々とヒットさせた。足下のカケアガリに着いている小さな魚を捨て,沖のカケアガリに着いた良型だけに狙いを絞ったため,それほど数は出なかったものの,十分納得のいく釣行だった。
マッディーウオーターのボトムトレース。エリアフィッシングではぜひ覚えておきたいテクニックの一つである。
 
 
   
  フィッシングクラブジョイバレー

千葉県山武郡芝山町菱田南谷
Phone/Fax:0479-78-1881

◯営業時間:午前6時〜午後8時(4月〜10月は午後10時まで)
◯入漁料:1日券(8時間)大人5000円
 女性・中学生3900円 小学生以下2800円
 半日券(5時間)大人3800円
 女性・中学生3300円 小学生以下2500円
 その他時間券あり
◯アクセス:東関東自動車道 成田インターから10分 富里インターから15分